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無料の陶芸教室=塚田さんが小岱焼指導

9月27日(土)

 熊本県熊本市の支援を受けて半年間、同市内の工房で小岱(しょうだい)焼を学んできた陶芸家の塚田幸雄さん(二世、五四)が、「学んできたものをみなさんにも伝えたい」と、来月から熊本県文化交流協会でワークショップを定期開催する。
 コンピューター関係の仕事を退職後、陶芸を本業にしている塚田さんは昨年九月に訪日。同市と同協会の間で始まった文化交流委員制度の第一期生だった。
 この制度は同協会の会館が一昨年に落成した際、来伯していた熊本市長の肝いりで決まったもの。県費留学制度とは反対にこちらは中高年がその対象となる。往復航空券は自己負担だが生活費はすべて同市が引き受けるという条件だ。
 塚田さんは金峰山にある工房に毎日通い、「備前にも似ている」という小岱焼の習得に励んだ。
 「日本では自然の風合いを大切にするので、一発勝負の真剣さがある。多くのブラジル人陶芸家は作った後に手を加えるからどうしても人工的になる」。制作姿勢の違いを肌で感じる一方、自然な作風の陶芸に改めて魅せられた。
 滞在中はお茶、書道、花と、日本文化の基礎を学ぶ時間も設けられた。「遊んでいる時間は少なかったですね」と振り返るが、他県の焼き物の里を訪ねるなど充実の半年間を過ごした。
 「熊本市のおかげで身に付けた技術だから、お金は取らずに教えたい」というワークショップに定員はない。一日三時間、三、四回の講習を予定する。経費は材料費のみ。詳細は同協会(電話11・5084・1338)まで。