9月23日(火)
【アゴーラ紙】サンパウロ市地下鉄の駅や車内での窃盗や強盗が増加している。六月に二百十四件だった同発生件数は七月に三百八十件、七七・六%も急増した。一日に約十三人が被害に遭っている。
地下鉄での今年の犯罪事件は一月の三百五十七件から五月の百九十五件へと減少したが、七月で年初のレベルに戻った形だ。一-七月の月平均犯罪発生件数は二百八十四件で、去年一年間の同平均件数二百九十件とほぼ同じレベル。二〇〇〇年の四百六十六件、〇一年の四百五十八件と比べると、過去二年間で発生件数は減少している。
犯罪の内訳をみると、窃盗が全体の五三%、強盗は一四%、傷害事件は一二%、切符売場強盗は八%、その他が一三%を占める。駅別でみると、セー駅が最も犯罪事件が多く、バラ・フンダ駅、ブラス駅があとに続く。ラッシュアワーに列車を乗り降りする際とエスカレーターでの犯罪が多い。列車内で発生した窃盗事件の被害者の八割を若い女性が占め、お年寄りの被害者も多い。
バストス地下鉄保安部長はサンパウロ市中央地区、特にヴィンテシンコ・デ・マルソ通りで警察の取り締まりが厳しくなったことが地下鉄内の犯罪増加につながっているとみている。
事件の増加を受けて、地下鉄側は新しい安全対策の実施を八月に決めた。しかし、犯罪者に知られることがないよう、同対策がどんなものかは発表されていない。乗客に混じって私服警備員を活動させることはこれまで通り行われる。監視カメラ、軍警の協力、特別捜査班の設置も安全対策として取りざたされている。