9月18日(木)
【スペル・インテレサンテ誌】古代ギリシャ文化には「言葉には力がある」というロゴスと呼ぶ考え方があった。ブラジルではヴェルボ(動詞)といって、ロゴスを継承した考えがある。日本にも昔、〃ことだま〃思想があり日本書記に記されている。ロゴスはそのとき実現しなくても、潜在意識の中でプラスの作用をすると考えられている。
だからプラス思考でプラス話法をすれば、プラスの運勢を呼び込み実現するというのだ。だから否定的叱責は禁物。叱責はプラス話法で「おまえは立派な奴だ。そんなバカなことさえしなければ」といえばロゴスが実現する。「名将は一言人を活かし、凡将は一言人を殺す」
聖書ヨハネ伝では、その冒頭に万物の根源はロゴスであるとさえいっている。プラス話法で話しかけると、ロゴスは相手の潜在意識に働きかけ心の状態を変え、相手の行動を律する力があるといわれる。マインド・コントロールは、ロゴスによって相手の心を変えるシステムといえる。
古代ギリシャ文化は、人生がロゴスによって哲学化され科学化されると定義した。ロゴスには、人生を左右する力がある。勇気を与え、喜びを与える。人間は大自然によって生かされているので、苦境や病気は大自然の配剤と考える。プラス思考をすると、運勢はプラス方向へ向かうというのだ。
ロゴスは休むことなく、大自然と交流している。ものごとを心に思いロゴスを発信し行動することで、思いが実現すると、ギリシャの哲人は考えた。心は、このメカニズムの中心的役割を担っている。
調子がよいときは、大自然も意のままになる。うそでも、思い通りになる。わずかな間なら大衆をだますこともできる。一人の人間なら、長い間だますこともできる。しかし、永遠に続くことはない。大自然のロゴスが許さないからだ。
見事な大木の枝ぶりも大地にしっかり張った根が支えていなければ、存在することはできない。輝かしい成功も、見えない土台があって初めて実現する。根を張れば必ず、いつか枝葉は見事に茂る。全ての現象にロゴスが働くからだ。
腰抜けと豪傑は、本質が異なる。腰抜けは、土壇場に至ると無為無策。豪傑は苦しくなったら、歯を食いしばり腰を抜かさない。正念場では虚勢や大言壮語は通じないし、器以上のことはできない。ことばはロゴスの使者であり、それぞれの役目を持つ。