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文協が大豆料理試食会=各地の日系団体に協力要請

9月17日(水)

 ブラジル政府の飢餓ゼロ(Fome Zero)政策に協力し、健康食材・大豆をブラジル社会へ普及しようと計画している文協の特別企画委員会(吉岡黎明委員長)では、十一日(木)昼、文協内エスペランサ婦人会で大豆料理試食会を開いた。
 今回は婦人友の会(砂古和子リーダー)とエスベランサ婦人会(熊谷みすえ会長)との共催で、同友の会が以前から研究していたレシピを元に、同婦人会と共に〃一般向け〃料理を考案、試作した。なお原料となる大豆はアグロ・ニッポ社の寄付。
 同特別企画委員会では月一回ぐらいの割合で会議を開いており、ブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)などとも協力関係にある。吉岡委員長は「約三十年前から政府が何度も試みてきたが、どのキャンペーンも失敗した。それらの経験も参考に、日系団体ネットワークを使って、日系独自の大豆普及を試みたい」と抱負を語った。
 今回試作したのは大豆サラダ、パテ、サウガジーニョ感覚のコロッケ、ハンバーグ、おからのファロッファ、トルタ、レモン風味のケーキ、ゼリー、かりんとう、イチゴ入り豆乳の十品。ブラジル料理をベースに大豆を代用した。試食した渡部和夫同委員も「これなら日系人でなくても食べられそうだ」と満足の表情。砂古リーダーも「安くて、簡単で、美味しい料理を心がけました」とのこと。
 今回開発したレシピをさらに発展させ、独自のレシピ集を作り、配布する予定になっている。今週中には、全伯日系団体に大豆普及キャンペーンへの協力依頼の書面を送り、理解を求める。将来的には普及員を育成し、各地の日系団体で普及キャンペーンを実施する時に、派遣できるようにしたいと吉岡委員長は語る。
 カンピーナス農事研究所で三十三年間大豆研究をした第一人者、宮坂四郎さんも試食に訪れた。大豆とフェイジョン豆はどう違うのか、との記者の質問に、「天と地ほども違う。まず原産地や種名が異なるし、タンパク質などの成分や量も違う。簡単に言えば、はるかに大豆の方が体にいいのです」と解説した。
 料理方法などについての問い合わせは文協事務局(電話=11・3208・1755)まで。