9月13日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】閣僚人事に入ったルーラ大統領は十一日、科学技術審議会の構造改革を仕切る会議に臨席して同審議会が〃娯楽番組〃になっていると批判、ロベルト・アマラル科学技術相の更迭を示唆した。さらに同審議会のメンバーは役職の獲得には精力的であるが、執務には能力の一〇%も出していないと不満を表明。また、女性メンバー不在による手落ちも指摘した。
党利党略人事が批判される中、ルーラ大統領は第一次閣僚人事の調整に入った。プラナウト宮で、産業の発展を促す科学技術審議会が開催された。政府機関、党、労組、社会運動団体において、役職の獲得闘争には熱心でも執務には怠惰であると、大統領は全政府組織に活を入れた。
科学技術相による執務報告の後、大統領は同報告を反復、雇用創出と経済活性化を至上命題とする現在の情勢下、新味に欠けるとして大統領自身が同審議会の議長を務めるといい出した。審議会の本領発揮のためには議長が、大統領でも閣僚でも構わないとした。
同審議会に女性メンバーが不在であることで真剣味に欠け、審議会がアソビになっていると評価した。有能な女性科学者や政府要職で女性が活躍していることを試すために、メンバーを増員して女性役員を起用し、審議会の活性化を図るよう大統領は要請した。
大統領は任期中に、科学技術の開発と研究のために官民合同で国内総生産(GDP)の二%を投下すると宣言した。現在の通貨価値にすると三百億レアルになる。民間企業と州政府は、科学技術の開発投資に積極的ではない。八月に提出した二〇〇四年度予算でも、同予算を三十七億レアルとし、GDPの〇・二二%としたに過ぎない。
二〇〇五年と二〇〇六年の二年間に二%へ引き上げる公約は、誰も信じ難い。大統領は現在、六千人の博士号取得者を一万人にするという。石油やガスの鉱床を発見して活躍しているペトロブラスや農業振興に貢献した国立農業試験場は、偶然に功績を挙げたものではなく、多大な研究開発費が見えない所も含めてつぎ込まれているからだと強調した。
閣僚人事はPMDBの催促もあり、九カ月間の政権で省庁の執務評定はできた。大統領府から技量不足のらく印が押された科学技術相と側近らの席は、新たに連立関係に入ったPMDBへ回されるものとみられている。国会内の支援票獲得のため、政府は科学技術省を土産にしたようだ。
土産リストに載っているのはほかに、予算獲得のために学生らにデモを示唆したクリストヴォン教育相。ベネジッタ・ダ・シウヴァ社会福祉相とアンデルソン・アダウト運輸相などだ。