ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 子女教育 放任主義の親が増加=家庭教育も学校で=しつけ知らず全日制希望

子女教育 放任主義の親が増加=家庭教育も学校で=しつけ知らず全日制希望

9月13日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】アングロ教育システムは十一日、中流以上の一万六千家族を調査した結果、子女の教育は麻薬対策も含めて教育機関に一任することを希望していることを明らかにした。
 私立学校では教師や教育心理学士などが、生徒の規律を重視していることは珍しいことではないとしている。しかし、子供の家庭教育は、ほとんど放任状態にして非行責任を学校へ求める父兄の姿勢を非難した。
 調査を行った家庭の所得は、四七・七%が二千五百レアル以上。母親が大学卒は三六・一%、父親が大学卒は三三・三%。両親が結婚している家庭は七五・三%などであった。
 【私立校からなぜ子供を転校させたか】校内に麻薬が浸透しているが六八・九%。授業料が高すぎるが四三・八%。校内規律が厳しくないが三二・四%。
 【麻薬対策で何を学校に求めるか】麻薬防止キャンペーンと指導の徹底が七一・六%。麻薬予防プログラムの参加が六四・五%。徹底的監視が二七・九%。特別視は不要が一・四%。
 【学校を選ぶ基準は】学科水準と教師の評判がよいは七四・一%。近代的教育法を導入は五〇・四%。月謝が適当であるは三五%。私立校の月謝は、平均で五百レアルとなっている。
 【子弟の教育計画は】公立大学へ進学は三二・四%。水準が高ければ公立でも私立でもよいは二四・七%。大学ならよいは一・九%。
 小中学と高校、予備校まで無理しても私立で学ばせ、大学は公立が親たちの夢だ。中流家庭でも三二・四%が、授業料無料は魅力と答える。就職するとき、公立校出身は断然有利とされる。教育は投資と考える親は、五四・九%もいる。
 父兄の多くが麻薬問題を理解しておらず、学校へ行かせれば何とかなると思っていると調査員は語った。教員労組のローレンソ理事長は、父兄らが子どもの家庭教育をも学校の任務にしようと、学校に全日制を要請するありさまだと述べた。親としての自覚不足か、無知なのか懸念するという。
 母親の中には女教師に、月経の知識指導を依頼する場合も多いとされる。無責任な親になると、子供がパジャマのまま学校へ行って、先生に制服へ着替えさせてもらうというのもある。学校は家庭の延長であって、セックスや麻薬、国民の義務、公徳心、環境知識を指導して欲しいという親も多勢いるとされる。