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サントス沖 ガス大鉱床を発見=ブラジルの自給可能に=国内埋蔵量、一気に3倍=コスト30%も割安

9月5日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】ペトロブラス石油公団は三日、サントス沖で国内埋蔵量の二倍に相当するガス大鉱床を発見したと発表した。埋蔵量は四千億立方メートル以上と推定され、ボリヴィアのガス鉱床に匹敵するものをサンパウロ州に所有することになったと述べている。南米でも最高のガス埋蔵量であり、ボリヴィア・ガスの一立方メートル当たり〇・三レアルに対し〇・二レアルで入手できることになった。

 ペトロブラス石油公団は四月、掘り当てたガス鉱床がテストの結果、四千億立方メートルを超える大鉱床であることが判明した。これで国内のガス埋蔵量は、従来の二千億立方メートルから六千億立方メートルと一挙に三倍になった。場所は、サンセバスチアン港から沖合百三十七キロメートルの地点であった。
 同公団のイウド・ザウエル動力担当理事は、エネルギー業界では画期的出来事と位置付けをしている。公団技術課は同地域BS400には、さらにガス鉱床発見の可能性があるとみている。国内では、ガス埋蔵量七百億立方米以上を大発見とみなしている。
 サントス沖鉱床は、カンポス沖鉱床に次ぐ規模と期待されている。今度発見したガス床は水深わずか四百八十五米の海底で、ガス層が海底から五千米にわたっている。八月の試掘でも同地域で二カ所のガス田を掘り当てており、目下テスト中で結果待ち。
 四月のテストが、予想以上の結果であったことで期待が膨らんでいる。しかも鉱床の目と鼻の先に、ブラジルの南西部工業地帯とされるエネルギー大消費市場を控え、大量のガスが供給できることで関係者は意気込んでいる。
 ガス鉱床の新発見でガス生産は二〇〇四年、日産八千万立方メートルになる見込み。ブラジルは現在、ボリヴィアから毎日三千万立方メートルを輸入しているが、これでガスの自給が可能になった。
 ボリヴィア産のガスは原価が〇・三〇レアルで、火力発電に利用しているが、工業用電力としては割高であった。今度は〇・二〇レアルと三〇%もコストが低減されたことで、工業用需要が期待されている。
 リオ州カンポス油田のガス埋蔵量は、一千億立方メートルとされる。しかし、ガスは原油の副産物として採掘されるので、ガスだけ必要量を採掘することはできない。原油は市場に合わせ生産する。
 サントス沖のガスは副産物ではないので、ガスの消費市場を開拓する。公団は輸入ガスの購入者が少なかったので、同ガスを敬遠していた。ボリヴィア産ガスは今後、価格の引き下げと輸送法の改善を余儀なくされる。
 また国内でもガスの自給に伴い、十億ドルを投資してガス・パイプライン網の増設を行う。パイプラインで遠隔地へ液化ガスを大量輸送するため、ガスの物流整備も行われる予定だ。