9月4日(木)
【ヴェージャ誌】世界銀行は一九六〇年、途上国の国民一人当たり所得(PPP)の調査を行った。朝鮮戦争で休戦直後の韓国は当時、廃虚の中にありPPPはアフリカの極貧国ガーナと同じ九百ドルであった。ブラジルは豊かな天然資源と工業化政策、大学設置で将来が嘱望され、両国の二倍の千八百ドル。
二十年後の一九八〇年、ブラジルのPPPは四千二百ドル、韓国は三千九百ドル、ガーナは千ドルとなった。その後、ブラジル経済は空回りして、韓国に大きく水をあけられ順位は逆転。ブラジルのPPPが七千二百ドルに対し、韓国は二倍以上の一万六千五百ドル、ガーナは二千ドル。
ヴェローゾ元企画相は昨年、ブラジル経済フォーラムで韓国の奇跡的発展の原因は〃教育〃だと訴えた。 ブラジルが二〇〇〇年、五百五十億ドルを輸出したとき、韓国は千七百二十億ドル輸出している。ブラジルの輸出品の半分以上は、国際価格で相場が決まっている一次産品だった。韓国の輸出品は、九一%が豊かな付加価値を見込める工業製品であった。
教育では、ブラジルもひけをとらないが教育の質が異なる。国民一人当たりの教育費は、アルゼンチンやチリがブラジルの二倍、韓国は四倍。また、ブラジルでは大学生一人に小学生の十七倍をつぎ込み、韓国は二倍に過ぎない。
ブラジルは政権が交代するごとに、教育制度も変更されるので、一貫したシステムがない。連邦や州、市によっても教育システムは異なる。コーロル元大統領がモデル校を作り、イタマール元大統領も作った。
マルタ市長が二千四百人の学童を収容できるモデル校を千六百万レアルを投じて建築した。まだ五万人の学童が飲料水もトイレもない仮校舎で勉強しているのに、モデル校という売名行為に走っている。