9月4日(木)
社団法人「アルゼンチン拓殖協同組合(山田ホルヘ理事長=以下、亜拓と略)」の創立五十周年記念式典が八月二日午後三時から、在亜沖縄県人会連合会会館で盛大に開かれた。
式典には、日本大使館の大部一秋代理大使、国際協力事業団からは、加藤誠治次長、在亜日系団体連合会の石川フーリア会長、ブラジルからはオイスカ・ブラジル総局の高木ラウル会長も訪れ、約二百人の関係者は亜拓の節目を祝った。
先没移住者に黙祷の後、山田理事長はあいさつのなかで、(ミシオネス農場で行っていた植林事業が)四年前の竜巻で壊滅的な被害を受けたことに触れ、「米州開発銀行に特別融資を依頼したが、その回答は三年を経た今もない」と経緯を説明しながらも、「すでに苗木の植え付けを初めており、将来の福祉プランの土台にしたい」との考えを明らかにし、「これから新しいプロジェクトに向かって全理事がまい進していく」との意気込みをみせた。
続いて、功労者に対する表彰状授与式では福祉、亜拓農場、日本語教育、報道など四つの分野の関係者、歴代の理事・監査役がそれぞれ表彰され、光田正氏が代表して謝辞を述べた。
三浦春吉領事の乾杯の音頭により、祝賀会が始まり、歌手の井上祐見のリサイタルも行われ、会場は大いに沸いた。
文野和義副専務は「五十年を境目に事業内容も含めて、大きく変わっていきたい」と話していた。
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《アルゼンチン拓殖協同組合》
亜拓は戦後移住者の受け入れ態勢を整えることを目的に、五三年十月十日に設立された。今までに五千四百三十人の亜国永住、パラグアイ移住者二千五百五十人の亜国通過、商社企業の駐在員三百五十人の入国などの各手続きを行っている。
なお、営農及び販売指導や直営農場の経営、日本食品の販売など多角的な活動を展開、八〇年には現事務所を開設、現在に至っている。