9月4日(木)
群馬県大泉市のブラジリアン・プラザ・ショッピングで、日本へのデカセギ就労十五周年とブラジルへの日本移民を記念して史料館を設立する運動が高まっている。日系企業家団体が呼びかけているもので、今年末まで、訪日就労者の間で展示品の収集が進められるという。八月三十日付、インターナショナル・プレス・オンラインが報じている。
同企画は日本に拠点を置くブラジル商業企業家協会(ABC Japao)理事のヒデキチ・ハシモトさん(三九)が発案。ハシモトさんは、日系人の一部は、祖国で自分の源流を探りたいと思って来日したはずだとし、「お金のためだけではない。何人かの日系人は、先祖の歴史を取り戻すために日本にいる」と語っている。史料館では移民の過去を探求するなか、日本のブラジル人コミュニティに何が起こったかを併せて展示するつもり。
同館の大きなテーマの一つに、ブラジル労働者を雇う日本の派遣会社の動きを示す展示が含まれる。実行委員会は、工場で働く日系人たちが直面する問題を紹介する報告書なども集める予定。「ブラジル人コミュニティの真実を写し出す」とハシモトさん。「隠された部分を認め、労働者の訴えを提起する」という。
大泉市に史料館を設立する企画を、日本人たちも好意的に受けとめている。場所を提供するショッピング所有者の一人、松本キヌエさんは、多くの人々が日本移民と日本のブラジル人コミュニティの関係をより理解できるだろうとし、「日本人には知られていないが、ブラジル人には血と汗と涙にあふれた苦労話や成功秘話がたくさんある」と語っている。同協会との連絡は電話=090・3068・1285、045・503・6411まで。