8月30日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】熱帯病など腫瘍(しゅよう)専門のエミリオ・リバス病院は二十八日、財政難のため二十九日から急患のみを応対し、部分ストに入ると発表した。同病院は二千百万レアルの予算を請求し、州政府が六百万レアルのみを交付した。そのため一般診察の患者は、州政府の対処判明まで待機となった。
二十八日の診察は、州政府の決定によらず職員の善意によって患者を応対した。六カ月前に定期診察日を指定され、遠隔地から上聖した患者も多数いる。集中治療室(UTI)と重患、入院手続きは平常通り応対。
部分ストのためエレベーターは一台のみ機能し、患者も職員も廃棄物も一緒に運ばれている。同病院は昨年、薬品や医療器具のために千五百八十万レアルの予算を請求したが、交付されたのは六百七十万レアル。今年は二千百万レアルに対し、これまでに六百万レアルしか出ていない。
医療器具と薬品の不足で、児童用のエイズ抑制剤や専用タオルなどにも事欠き、医師は漢方薬を使用している。これまでに同病院への交付金滞納額は三千三百万レアルに累積している。
リオ市のがんセンター(INCA)では資金不足を、コスタ保健相が予算確保をできない病院責任者の政治力不足だとした。公立病院の最高責任者は天下り人事ではなく、実力者でロビストを持つ政治的背景も必要だとした。病院の幹部職員は、医療技術と政治力のはざまで苦戦を強いられているようだ。