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伯、アテネ五輪は苦戦か=期待薄の金メダル=スポーツ教育の徹底を

8月30日(土)

 【ヴェージャ誌27日】ドミニカ共和国サントドミンゴで開催された第14回パンアメリカン大会で、ブラジルは金メダル28個、銀41個、銅54個と好成績を収め、総メダル数123個で4位になった。だが、喜ぶのはまだ早い。来年アテネで開かれるオリンピックに通用するブラジル人の金メダリストは一人しかいないと、ヴェージャ誌は厳しく指摘している。

 ブラジル人選手の自己記録と2000年のシドニー五輪の選手の記録を比べてみると、パラナ州出身のロドリーゴ・バストスただ一人が世界に通用する技を持つことが分かる。アテネ五輪の選手のレベルが、今まで以上に高くなることは明らか。
 団体競技でも同じことが言える。パンアメリカン大会で金メダルを受賞した男子バスケットボール代表は、プエルトリコで開かれている五輪予選をパスできるかどうか分からない状態。
 世界的に見て強い経済力を持ち、人口1億8千万人が住むブラジルだが、五輪ではいつも遅れをとっている。「先方を行く他国選手が残した土ほこりでせきしている」と、ヴェージャ誌は辛口の批判をしている。
 4年前、ブラジルはカナダ・ウィニペグで開催されたパンアメリカン大会で、メダルを101個(金25個)を獲得した。その翌年のシドニー五輪では52位に成り下がり、銀6個、銅6個だけで金メダルはゼロ。では、なぜパンアメリカン大会ではこれほど良い成績を出せるのか?
 理由はただ一つ。他国は最強のエリート選手をパンアメリカン大会には出場させていないのだ。他国の目的は世界大会と五輪であるため、パンアメリカン大会の競争レベルが大幅に落ちる。
 アテネ五輪で金メダルが期待されている選手は、世界大会で6回優勝経験のあるヨット・レイサー級選手のロバート・シャイト。団体競技では、世界リーグで優勝した男子バレーボール代表。サッカー代表も、ワールドカップで五度目優勝を遂げたブラジルの代表だけあって、期待できるだろう。
 五輪でメダルを多数獲得している国の例に習うと、ブラジルがメダルを受賞できるようになるには、まず学校でのスポーツ教育を基本から正す必要がある。「子供たちが各自のタレントを発揮できるように、コンディションを与えなければならない」と、サンパウロ州スポーツ局のラルス・グラエル長官は言明。だが、それを実現するインフラさえ整っていない。
 ブラジルでは、6校のうち1校にしか体育館がない。学校に頼れないとなると、スポーツクラブに入会するしかない。だが、そのほとんどはアマチュアレベルのもので、倒産寸前のクラブも少なくない。
 何をするにも短期間での成果を望むブラジル。高度な技術のスポーツで優勝するには、少なくとも8年間の年月を費やす必要があることを忘れている。