8月29日(金)
【既報関連=各伯字紙二十八日】約六万年ぶりの火星大接近が二十七日、ピークを迎え、世界各地で観測会が開かれた。ブラジル各地でも天文台などで観測され、天体望遠鏡の前に長蛇の列ができた。
地球と火星の最接近は、二十七日午前九時五十一分(ブラジリア時間)に起きた。地球から太陽までの距離の三分の一強(約五千五百七十六万キロ)と、石器時代以来の大接近となった。
ブラジルから観測するのに最も適した時間帯は二十七日午後五時五十一分から二十八日午前一時十四分まで。ルイス・A・シウヴァ天文学教授は、「南半球では、火星は天頂近くを通過するので、観測に適している。一方北半球では、火星は地平線近くを通る。南半球に住む人の方がラッキーだと言えるだろう」と説明する。
火星は今後、遠ざかっていくが、明るさはすぐには変わらない。望遠鏡がなくても、「赤くて、よく輝く星」が肉眼でもよく見える。観測しやすい状態は数日間にわたって続くという。シウヴァ教授は、「新月の今がチャンス」と勧める。だが二十七日、サンパウロ市はあいにくの曇り空で、天文ファンたちはため息をついていた。