エコノミーア

8月28日(木)

 フィナンシアル・タイムス紙は二十三日、ブラジル政府は経済成長を優先して財政黒字を低減する通貨政策の見直しを迫られていると報じた。そうしないと慢性不況が定着して、長期不況から抜け出せなくなるという。アジア地域は米政府の意向をよそに独自の成長要因を作り出したが、ブラジルは古い習慣に固執して波に乗り損ねた。ブラジルは新しいダイエットを取り入れることに不得手らしいと論評した。
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 所得の低下により乗用車を購入した借金を返せず、司法裁決で差し押さえられるケースが激増。融資した金融機関の車両置き場が、中古車で墓場化している。統計では新車の在庫が十六万、中古車が十万、合計二十六万。販売量の二〇%に相当し、車両産業の足かせとなり頭痛のタネ。
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 経済活性化と雇用創出のために、政府は中小企業の合併を奨励している。特に半導体やソフトウエア、製薬、資本財などを指摘、国際競争力の強化や経済危機に対処しようというもの。半導体は二十三社あったが、現在は三社のみ。ソフトウエアは十億ドル輸入し、一億ドルの輸出に過ぎない。製薬は一千社が十一億ドル輸入している。
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 基本金利の一挙引き下げで、産業界に活性化の兆候が出ている。特に下半期に命運をかけた食品、電子部品、玩具、靴、包装などが注目されている。玩具のエストレーラ社は、十月十二日の「子供の日」向け出荷で三百人を採用した。フィリップ社も七月のTV売り上げが前月比二〇%増、DVDは二八%増と好調だ。