8月28日(木)
来年の参議院選に出馬を予定するパラグアイ在住の高倉道男さんを中心とした「日系人代表を国会に送る運動」のサンパウロ支部が二十一日、発足した。この日開かれた発起人会には、高倉さんを中心に、前県連会長の網野弥太郎さんや県連会長の中沢宏一さん、松柏学園校長の川村真倫子さんら日系社会各界から有志十人が出席。出馬に向けての理解や政策などを訴えた高倉さんと意見交換しながら、今後の活動方針や選挙戦の戦い方などについて話し合った。
島国日本の閉鎖性を破るには、海外在住日本人の声を国会に届ける必要がある、と出馬の決意を語る高倉さんは、パラグアイで邦字紙「日系ジャーナル」を主宰。今年二月には地元で支援団体を立ち上げている。
選挙戦を戦うには、大勢の日系人を抱えるサンパウロと米国のロサンゼルスでも支援組織を立ち上げたいという高倉さんの意向を受け、この日の発起人会が開かれた。
高倉さんの出馬を機に、これからの日系人としてのあり方や、日本に対して訴えるべき問題点などについて熱のこもった議論が交わされた。イタリアなどと同様に、日系人にも日本国籍の取得を認めるべき▽世界中に散らばる日系人を、日本の海外進出の拠点として活用する▽デカセギ問題を国会で訴える――などと高倉さんを代弁者として日本側への意識改革を迫ろうとの意見が目立った。
具体的な支援策としては、有権者七万五千人を抱えるブラジルでの選挙人登録の増加を図ることになった。県連会長時代に尽力した網野さんが、サンパウロ支部長に選ばれた。
高倉さんは「時代錯誤と言われるかも知れないが、日本は昔から外圧でしか変化しない。日系人の意見を日本社会にぶつけたい」と意気込みを語った。
海外日系新聞協会長(事務局・東京)も務める高倉さんは、今年九月に日本で行われる海外日系人大会終了後に、「日系人代表を国会に送る運動」のパラグアイ本部とサンパウロ、ロサンゼルスの両支部の代表者とともに記者会見を予定。日本のマスコミを通じて正式な立候補を宣言する。