8月28日(木)
ブラジル熊本県文化交流協会(福田康雄会長)は二十六日午後、サンパウロ市ヴィラ・マリアーナ区の会館で創立四十五周年式典を開いた。母県からは安田宏正出納長、県議会の西岡勝成議長ら二十三人が参加するなど、合わせて約二百人が出席した。また、米国ロサンゼルス同県人会の福岡健二会長も来伯し、節目の日を祝った。
福田会長はあいさつで、「二年前に県人会から文化交流センターと改称、会館を新設した。近い将来は若い世代が会員、役員として背負っていってくれるものと信じる」と述べた。一方、県費留学費用の削減問題について懸念を表明し、「いま反対署名運動を行っている。この名簿を『お土産』のひとつとして県からの参加者に渡すつもり」とした。
潮谷義子知事の祝辞を代読した安田出納長は、先月県内水俣市で発生した豪雨災害へのブラジルからの協力に感謝したうえで、「今後も一層強いつながりを保ち、友好親善発展のために尽くしたい」などと展望を語った。
続けて、訪伯を前にペルーの県人移住百周年に参加したという西岡議会議長があいさつし、「日本と南米で地理的距離はあるが、(同じ県人同士)心理的なへだたりはない」と強調した。
ブラジル側来賓では、中沢宏一県連会長と羽藤ジョルジ・サンパウロ市議がそれぞれ祝辞を寄せた。
また、今年三月に県留学を終え帰国した谷歩カチアさんは「母の故郷への留学という夢を果たしたいま、今度は自分の子供にも同じ感動を共有してもらいたい」とし、従来通りの留学制度の継続を訴えた。
式典後は日本民踊研究会からの慶祝団十五人を代表し田中豊渕さんが祝いの舞を披露し宴会に移った。
熊本県からブラジルには約二万人余りが移住した経緯を持つ。移民の父とされる故上塚周平、笠戸丸移民最後の生存者である中川とみさんも同県の出身。