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コラム 樹海

 出稼ぎの子弟が日本で非行の道に走り、受入れ側の地域社会に悪影響を与えている。この事実は当地日系コロニアに強い衝撃を加えた。ただただ嘆かわしいの一語に尽きる。日本在住の勤勉な出稼ぎ者には迷惑千万な話だろう。肩身の狭い思いに駆られているに相違ない▼警察庁の統計だとブラジル少年の犯罪は、ここ十年間でなんと四十倍にのぼる。日本に住む外国人少年刑法犯の検挙率は、ブラジルが六五・一%(一二五九件)でトップ。次いで中国の一六・三%(三一五件)、このほかは一桁台以下に過ぎない。こんな〃断トツ〃なんて自慢にならない。全く不名誉きわまる数字である▼青少年らが非行に走り、罪を犯す裏には周囲をとり巻く環境など複雑な事情が絡まっている。たとい情状酌量の余地はあるにしても悪は悪である。類は友を呼び、犯罪予備軍の存在が気にかかる。大人には彼らを突き放すのではなく、心の迷いを癒してやり、改心させ、更生させる義務がある▼いよいよ重要な役割を担う文協(ブラジル日本文化協会)の〃出番〃がきた。新体制の文協が活動目標の一つに掲げたものに出稼ぎ問題がある。子弟の教育や家族(在日・在伯)も含めて派生する諸問題への積極的関与だ。これら直面する難題解決に取り組んでほしい▼まずは青少年を非行から救い、犯罪を未然に防ぐための具体策が要る。日本における出稼ぎ子弟のイメージアップから始めねばならない。コロニアにとって他人事ではないのだ。 (田)

03/08/27