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記録的な猛暑に気をつけて=南医師に体調管理の秘訣聞く=脱水症状、食中毒等に要注意

ニッケイ新聞 2014年1月17日
「熱中症に気をつけて」と呼びかける南利実(としみ)医師

「熱中症に気をつけて」と呼びかける南利実(としみ)医師

「気分が悪くなった等と病院へ運び込まれる60歳以上の人が急増している」と当地ニュースでは連日報じられ、注意喚起がされている。新年に入ってリオでは体感温度50度を超える暑さを記録し、サンパウロ市でも最高気温が連日30度以上となるなど猛暑が続いている。

そんな中、体調を崩してサンパウロ日伯援護協会の総合診療所に足を運ぶ人も出ているようだ。あまりに暑さが続くと身体が衰弱し、集中力がなくなるなどの弊害が生じる。この季節に多いトラブルと注意点を、同診療所の南利実医師に聞いた。

◎脱水症状

気分が悪くなって病院に運ばれる人の、主な原因は脱水症状だ。汗を多くかく季節は、一日に2リットル半の水分が体内から出る。その水分を十分に補給しないと、排尿量が減り、便が硬くなるなどの前兆があり、それを越すと体がだるくなる。南医師は「食欲喪失、ひどい場合には、吐き気やめまいが起きる。お茶、水、ジュースなどの水分をこまめに十分に摂ることが重要だ」とアドバイスする。

◎熱中症(日射病含む)

高温の中で長時間過ごして起こる体のだるさが主な症状。脱水症と同様な症状とともに熱が出るため、診察の際に風邪と誤診されることもあるという。南医師は「高温環境にいたと自覚があるならばまずは熱中症と疑う。その場合、涼しい日陰や室内に移動して休憩する、体を冷やす、水分補給するなどの処置をするとよい」という。

帽子をかぶる、風通しのよい服を着る、午前10時から午後4時の日差しが特に強い時間を避けて外に出ることなどが予防策だ。熱中症により血管拡張に伴う血圧低下も生じるので、高血圧で薬を服用している人はさらに注意が必要。

◎食中毒

食べ物に細菌・ウィルスが繁殖しやすいので、手や食べ物を通して食中毒が起きやすい。この季節の食べ物、特に生ものやフルーツの扱いは慎重にする、いつも以上に冷蔵庫にまめに入れるなどの予防策をとる必要がある。

その他にも、この季節は、プールや海水浴など大勢が利用する場所に出入りすることが多くなるので、角膜炎等の感染症で病院を訪れる人も多い。高温多湿の場所で細菌やウィルスが繁殖しやすいので、海やプールなどで遊んだ後は、体全体を洗い、耳など水気のたまりやすい箇所は綿棒で拭くなどして清潔に保つことが大事だ。

この時期は新年会やフェスタが多い。久しぶりに旧友に会ったりして日常を忘れて羽目をはずしてしまいがちだが、そんな浮かれる季節だからこそ、健康に気をつけて過ごしたいものだ。