「父は座間味、母は豊見城の出身です」。沖縄県人は、「ほほう」と身を乗り出す。
「私は本土出身です」というと、シーンと静まり返る。
同じことは琉球文化圏最北端の島に滞在中にも起こった。「あんた、いつナイチ(内地=本土)に帰るわけ?」「ナイチの人間にシマッチュ(島人)のことなんか分からんだろ」。酒の席になると、必ず言われたことを思い出す。
ニライカナイ、ユタ、三線、島唄、カチャーシーを愛しても、所せん、沖縄でもブラジルでも、ヤマトーンチュ(大和人)であることは変わりない。でも、ドゥシー(友達)にはなれるはず。「その国(島)を知ることが一番の交流」と宮城調智・沖縄県人会長も言っていた。 (さ)
03/08/23