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変わる農業の概念=米国で大気圏観測会議

8月21日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】宇宙衛星の気象観測による農業のハイテク化を討論する大気圏観測会議がワシントンで開催されロベルト・ロドリゲス農相は二日、同会議に出席した。地球上の大気圏の動きを陸海の広範囲にわたって観測し、気象予測の確度を高め食糧の増産に役立てるというもの。
 途上国の財政赤字低減のためにも、食糧の増産は欠かせない。かつての食糧大国米国も、地下水の減少から水資源の有効利用が急務となっている。ほかに異常気象や洪水と干ばつ、熱波、霜害、雹害、病虫害の到来、地球温暖化の影響、冷夏や暖冬の観測データは即時、同時に全世界へインターネットで知らせるという。
 二十一世紀は、地球単位で地政学を考える時代。特に異常気象による干ばつに備えた潅漑(かんがい)用水の確保が、農業の必須条件とされている。C型の地形は、水路のはけ口をせき止めて貯水湖の造成が求められる。ダムや運河の造成で、農業土木工学が特に脚光を浴びている。
 潅漑用水が確保できれば、遺伝子組み換えで新品種を作り出し砂漠も利用しようという計画だ。農業の概念が、変わりつつある。農業法人によるハイテク経営。飛行機で種まき、施肥、消毒、除草を行う。農家は家族を市街に住まわせ、作業員だけ農場へ通う〃夢の農業〃時代が来ている。 
 食糧在庫や温暖化現象、気候の変化なども、地球単位での管理が要求されている。米国は排気ガス対策のため大型予算を組み、大気圏観測に二千五百万ドルの提供を申し出た。ブッシュ政権は京都議定書からは脱退したが、独自の計画を打ち出すらしい。