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子供の視点で作句をー日本在住―遠藤さん「童句」のすすめー日本で開発された児童文芸、世界へ

8月21日(木)

 「童句」――大人が子供の心を失わないように、大人が子供の視点でつくり、子供とともに鑑賞し、楽しむ俳句として、日本で開発された世界初の児童文芸。創始は、六一年、児童文学作家の土家岐雄氏。現在、普及活動をしているのが、日本児童文芸家協会会員で、日本童句文学協会会長の遠藤冨子氏。俳句、ハイカイが盛んなブラジルでも、童句の芽がふくことを願っている。 

 【東京支社】経済優先、物質文明が加速されるなかで、「心」が問われている。「大人が子供の心を失ったことが、今日の状況を生み出している」と童心の大切さ指摘する人たちも多い。
 そんな時代状況のかで、日本で誕生した「童句」が、今、世界の目を集めている。
 俳句が盛んなブラジルでも、童句の芽がふくことを願い、その育ての親である日本童句文学協会長の遠藤冨子氏に、童句について寄稿してもらった。以下、遠藤氏の「童句とは」。
    ×  ×
 日本に発祥し、現在世界中で親しまれて俳句「HAIKU」と同種の文芸ですが、童句「DOKU」は、大人が子どもの視点で作り、子供と共に鑑賞し、楽しむ俳句として開発されて世界初の児童文芸です。
 既成学習(経験や知識)の異なる両者の共感の場として「想像の世界」をテーマにしています。
 童句の創始は一九六一年で、児童文学作家の土家岐雄氏が「童心に還って作る俳句」をテーマとし、子どもの頃の生活を句材にあげました。残念なことに激変する現代社会の子どもの共感を得る場とはなりませんでした。
 その後、私は一九九六年、日本童句文学協会(日本童詩句文学協会の前身)を創立、普及活動に着手し、紆余曲折を経て二〇〇二年に海外デビューに至りました。
 その道程は厳しく、重病より生還し、世に報恩をとの一念から立ち上がった私に、苦闘の連続は生存の危機さえもたらしました。しかし、その中にあって私は、勇気と真心、独立心と想像力は成就の大道を拓くことを学び得ました。
 日常生活の中から、美しいことば、楽しい言葉を見つけ、五・七・五のリズムにのせてレトリックを用いて表現する童句、そして読む人のイマジネーションに呼応し、さらに愛と平和が訪れますように念願しております。
 すばらしい(ブラジルの)開拓の先達に敬意を表し、拙句をお贈りします。
〈新年〉
ポケットの 小さな希望
お年玉
犬小屋に 落葉の賀状
二・三枚
〈春〉
酔ったように 猫眠ってる雛の宵
女神駆け そっと目覚める山すみれ
〈夏〉
星祭り 竹にきしんで 星祭り
光りつつ 消えつつサイン蛍舞う
〈秋〉
秋の善 匂いほのかに 栗ごはん
いわし雲 はるかな友へ
エアーメール
〈冬〉
柚子風呂の アロマセラピー 母の歌
三日月の凍りつきそな ビルの上