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クプアスー商標問題=権利取消要請に抵抗せず=日本企業がパラー州と約束

8月12日(火)

 【既報関連】アマゾン地域原産果物「クプアスー」を世界各地で商標登録したところ、アマゾン地方労働団体(GTA)から生物海賊行為だとして訴えられていた日本企業、アサヒフーズ(AF)=本社・京都=。パラー州ベレーン市で先月末、AFは商標について、当面は所有権を持続するが、同州政府による権利取消要請に抵抗しないことを約束した。六日付リベラル紙、九日付エスタード・デ・サンパウロ紙がそれぞれ報じている。
 AFはクプアスーの種を使用したチョコレートを生産して成長を遂げ、「クプアスー」を北米、欧州、日本で商標登録、また、同製品販売会社「クプアス・インターナショナル・ジャパン」を設立した。そのため、「〝りんご〟という名前を商標登録したようなもの。市場で〝りんご〟と紙に書くたびに商標使用料を払わなくてはならない」という事態となった。
 ブラジルで訴訟問題に発展していることを知り、驚いた商標権所有者、マック・ナガサワ氏はパラー州商工業・鉱業局長、ラミーロ・ベンテス氏に連絡、「商標登録に悪意はなかった」と伝えた。
 ナガサワ氏によると、クプアスーそのものを独占するつもりはなく、チョコレートの製造過程を保護するための商標登録だったという。これに対し、ベンテス氏は、AFはトメアスー市にクプアスーチョコ製造工場を持っているが、クプアスーを基幹産業としているパラー州で同果実の精練を行なってはどうか、と持ち掛けた。
 AFは先月三十一日、「パラー州政府要請のもと、商標取消請願が提出される時、いかなる抵抗権利も放棄する」と記された文書に署名したが、同文書に法的執行力はない。しかし、商標を無効とするためにパラー検察局が訴訟を起こす際の基礎資料となる。