8月9日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙八日】市警と軍警総勢五十人のチームが七日午前四時、サンパウロ州北西部のリオ・クラーロ市中心街から七キロ離れたシッチオ(別荘)で麻薬組織のメンバー七人を逮捕し、約八百五十キログラムのコカインを押収した。逮捕時、同メンバーらはコカインを精製していた。
今回押収された麻薬の量はサンパウロ州では今年最高で、総額は二万五千レアルと見積もられている。警察は昨年、全州で九トンに上るコカインを押収した。同シッチオにはコカイン精製設備もあり、外国にコカインを運ぶ際ににおいを消すための、コーヒーの粉まで置いてあった。
コカインのほかに米軍がイラク戦で使用した手流弾とM一六型拳銃二丁、イスラエル製の拳銃ルガー一丁、サブマシンガンUzi二丁、リボルバー二丁、自動小銃一丁、カービン銃四丁、自家製爆弾一個、軍用GPS(衛星ナビゲーター)といった大量の銃器と弾薬が発見された。
逮捕された七人の中に二人のペルー人がいたこと、また押収されたコカインと銃器の多さから警察は、国際麻薬密売組織が結成されていた可能性が高いとみる。コカインはヨーロッパに密輸されていたと疑われている。
警察はある検事の告発を受けてシッチオの存在を知った。偶然にも麻薬組織は同検事の家の隣りにシッチオを借りていた。同検事は人と輸入車の出入りに不審を抱き、捜査を始めたという。
シッチオに向かう道には車の侵入を困難にする目的でコンクリート製のロンバーダ(道の段差)がいくつも設けられており、四匹の番犬がシッチオを守っていた。
同検事の告発を受けて以降、警察は電話の盗聴を続けていた。「初めはそのシッチオが誘拐された人質をかくまうために使われたのかと考えていた」とアウヴェス・リオ・クラーロ市警察署長は述べた。麻薬組織は約一カ月前から同市で暗躍していたとみられている。二十キロを超える量のコカインの押収は同市でこれまでに一度もなかったことから同署長は驚きの色を隠していない。