8月9日(土)
デカセギ子弟のその後を知りたい――。JICAが派遣するシニアボランティアとして一九九三年から二年間、南マットグロッソ州で日本語教師を務めた中村四郎さん(五四)が八年ぶりに来伯。デカセギ子弟のその後の追跡調査などを目的に九日まで滞在する。シニアボランティア時代に、同伴した妻の廣子さんとともに、ニッケイ新聞社を訪問した中村さんは「外国人の子供の対応が遅れる日本の学校事情を変えていければ」と調査の目的を話す。
同州ドウラードスにある日本語学校で日本語教師を務めていた中村さんは、現在東京都の東久留米市立第一小学校に勤務。ボランティアを終えて帰国後もデカセギ子弟が日本の学校に適応できない実情などをみてきた。九九年には教職のかたわら、早稲田大学大学院で、教育基礎学の博士後期課程に身を置いている。
研究テーマは「日系ブラジル人児童・生徒の学校への適応」で、滞在中には古巣のドウラードスやサンパウロ市にあるアルモニア学園などデカセギ子弟受け入れ校を訪問。日本語普及センターの松酒クリスチーナ早苗専任講師の協力を受け、日伯の学校の違いや日本での生活の様子などを聞き取り調査した。