8月8日(金)
ブラジル戸田建設の社長に二十六日付で現副社長の阿部勇氏が昇任する。東京支店海外部長への転任が決まっている林恒清社長とともに五日来社した阿部氏は「今年上半期は非常に厳しい状況だった」と身を引き締め、「スリムな経営を目指しひとつひとつ仕事をこなしていきたい」と抱負を語った。
進出して三十一年。病院建築には定評がある。ベネフィセンシア・ポルトゲーザや日伯友好病院も同社の仕事。現状では日系の団体・会社からの受注は全体の約二割と多くを占めないが、「世界最大の生産能力をもつヤクルト・ロレーナ工場の受注にこぎつけたのはいい思い出」と林社長は五年九カ月に及んだ駐在を振り返る。
赴任中に清水建設が撤退、竹中工務店も近く引き上げる。そんな逆風の中で踏みとどまった。その理由について両氏は「堅実な経営」を挙げる一方、「昼休憩に日本語授業を始めたのですが好評なんです。アウラの時間は上下関係もないですよ」とチームワークの良さを強調。戸田の社員としての意識=トダマン・シップの浸透を誇っていた。