8月7日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】大サンパウロ市圏サンベルナルド・ド・カンポ市で、七月十九日からホームレス労働者運動(MTST)のメンバー約七千人に占拠されている自動車メーカー「フォルクスワーゲン(VW)」の所有地問題で、サンパウロ州第一民事裁判所第三法廷の判事三人が五日、同地の所有権をVWにあるとし、ホームレスらに立ち退きを命じた。
七月二十八日、サンパウロ市民事裁第三法廷のロッケ・メスキッタ判事が、「同企業(VW)が、土地を活用している証拠がない」との理由で、サンベルナルド・ド・カンポ市第四民事部のマリア・F・サントス判事の「ホームレス立ち退き」命令を無効にした。
それに対しVWは、サンパウロ州第一民事裁に上訴。VWは土地に柵を設け、警備員に監視させて管理していたと訴え、所有権を取り戻すことに成功した。
MTST側のエリアーナ・L・フェレイラ弁護士は、高等司法裁判所(STJ)に上訴すると述べている。五日、MTSTのリーダーたちは、「最後まで戦う」と意気込んでいた。
リーダーの一人、ジョアン・B・コスタさんは、十日前にルーラ大統領あてに送った手紙の返事を催促している。MTSTは、VW所有地占拠問題を早く解決するよう、連邦政府の介入を求めている。
五日、三人の女性がMTSTの弁護士らに同地の所有権問題について抗議した。三人はガウヴォン・ブエーノ一家の者で、VWが一九七九年にトラック工場を創設したこの土地は同家の所有地だったと訴えた。
女性の一人、ロザーナ・A・ソウザさんによると、同地は一八五二年、マリア・E・C・A・M・ガウヴォン・ブエーノさんが購入したという。「大企業が一家の遺産である土地を占拠した」と、ファッチマ・A・テイシェイラさんは憤る。
三人は四十年前から、この土地が一家の遺産であることを証明しようと裁判を起こしているという。一方VWは、「我が社が同地の所有者だ」と主張している。