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珍しい琉球ぶくぶく茶=95周年式典で披露

8月6日(水)

 あれあれ、洗濯機の排水口でも詰まったの?――。いいえ、これはれっきとした飲み物、沖縄に古くは約六百年前から伝わる「琉球ぶくぶく茶」。カプチーノでもビールの泡でもありません。
 主に祝い事や首里の中流家庭以上で飲まれていたぶくぶく茶。一七一九年、琉球王朝時代に冊封使が来琉した際、同茶でもてなしたと文献にも記されているとのこと。二〇〇〇年の沖縄サミットで各国代表にも振る舞われた。
 母県沖縄ではかなり知名度があり、県が首里城に茶室を作る予定も。日本各地のほかアメリカ本土、ハワイ、フランスにも支部があるというが、実はブラジルにも支部が存在。同茶道家元の田中千恵子氏が直々に、瀬名波美恵子さん(一九七一年来伯)を指導者に任命、九八年の県人移民九十周年式典で「献茶の儀」として初披露された。その後、年二回、県人会のセレモニーで活動している。
 ぶくぶく茶の茶椀は直径二十五センチに及ぶ大きなもの。茶せんも抹茶をたてるものの約二倍。泡の素はもち米やお米、玄米など。味はさっぱり、泡が溶けないよう温度はぬるめ。ちなみに水の硬度が高いほど、きめ細やかな泡が立つそう。泡は「福」を意味しており、全部飲み干すのが礼儀。
 沖縄にしかないユニークなぶくぶく茶、ブラジルでは八月二十三日、県人移住九十五年記念式典で披露される予定。