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高級アパートでまた強盗=〝クローン車〟で侵入=手抜かりないプロの仕業=サンパウロ市

8月2日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】サンパウロ市モルンビー地域ヴィラ・アンドラーデ区の高級アパート『カラハリ』に三十日夜、十五人ほどの強盗グループが侵入し、アパート二十六軒のうち十五軒が金品などを盗まれる被害を受けた。強盗グループは、同アパートの住民の車とそっくりの〃クローン車〃を使って門番を騙し、内部に侵入。手がかりを残さず逃走した。凝った手口に警察は、「プロの犯罪者の仕業」と推測している。
 強盗グループの犯行は、精密に計画されていた。アパートを詳しく観察し、住民たちがガレージに入る前に行う合図などを徹底的に調べた。一住民のプジョー車を完全にコピーするために、同じ色のプジョー車を盗んだ。同じトーンのカーフィルムを貼り付け、プレートナンバーまで真似た。
 同日午後六時三十分、プジョー車の〃クローン〃が同アパートのあるイタマタイー街に到着。門番のサンドヴァル・S・ゴーメスさんは、車の外見やナンバーが一致しており、住民だと証明する暗号も知っていたため、「住民の車だ」と確信してガレージの門を開いてしまった。そのすぐ後に二人組に取り押さえられた。
 二人組は門を開き、小銃や機関銃を持った残りのメンバーを中に入れた。そして管理人のジョエル・デ・リーマさんを取り押さえた。
 事件当時現場にはいなかったが、仲間から事件の様相を詳しく聞いた門番のレジナウド・ドス・サントスさんによると、「強盗たちは、医者が使うマスクや手袋をつけていた」という。
 サントスさんによると、強盗らは三グループに分かれ、一グループはアパートの外で見張り番を務め、もう一グループは管理人のアパートに詰め込んだ住民たちの見張りをした。
 残りはアパートあさり役で、落ち着いた様子でアパートに次々と侵入。目当ては宝石や現金。携帯電話やDVDなどの電化製品も盗んだ。強盗らは三時間後の午後九時三十分ごろ、住民のゴルフ車とヴェクトラ車に乗ってアパートを後にした。
 モルンビー地域では五月十五日にも類似事件が発生。強盗グループは同じく約十五人。九階建てのアパートに侵入し、住民たちは約三時間にわたって人質になった。宝石と現金を主に盗み、住民の車を盗んで逃げている。