コラム
「帰りのバスはどこから出るのですか」
先日行われた「日本祭り」の会場で年配の来場者から何度もこんな質問を受けた。
交通の便が悪い州議会駐車場が会場だけに、主催する県連は、リベルダーデ広場と会場を結ぶバスを運行。来場者の便宜を図ったはずだった。
記者自身、取材を終えて帰りのバスを求め歩いたが、発着点は分からずじまい。共に探した女性は雨が降り出したこともあり「タクシーで帰ります」と袂を分かった。
会場に設けられた案内所で訪ねるも「私たちにも分からないんです」との答えが返ってくる。
「日系最大の祭り」など威勢のいい言葉を支えるのは、来場者あってこそ。バスの発着点を示す親切さは必要だった。
「行きはよいよい、帰りは怖い」。小雨交じりの中、昔聞いた歌が脳裏をよぎった。 (記)
03/08/02