7月31日(木)
日本科学協会(濱田隆士理事長)の笹川科学研究助成を受けてブラジルに来伯、カンドンブレなど黒人文化を研究中の学生、高橋慶介さん(二五、東京都出身)が二十八日来社、研究課題について語った。
高橋さんは一橋大学大学院社会学研究科(社会人類学)博士課程に在籍。ブラジルに根付く精霊憑依現象に興味を持ち、「人間とは何か、を知りたい」と、六月二十四日に初来伯、三ヵ月の日程で調査に専念する。
滞在一ヵ月が過ぎた高橋さんは、USP図書館などで文献を探すも、「ポルトガル語が難しい」と苦笑。現在はもっぱら、サンパウロ市内のバールでブラジル人と友達になっているとか。八月四日からはリオ、バイーアで活動し、八月下旬に帰聖する予定。
高橋さんは、「アフロ文化の観光・商品化で『黒人宗教はエキゾチック』など評価が好転している」としながらも、「他人からみたら、否定的な観点もある。カンドンブレなどの社会的評価を知りたい」と意欲満々。論文タイトルも大筋も未定だが、「この三ヵ月で結果を出そうとは思わない。来年、学生として来伯して本腰を入れるつもり」と語った。