7月30日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】ブラジルを含めた農産物輸出国が、先進諸国が農業分野に与える補助金についての議論を求めている。代表的農産物輸出国からなるケアンズ・グループは、農業分野でヨーロッパ、米国、日本の大幅譲歩がない場合、ドーハ会議の合意に反対する構えのようだ。
同グループのうち九カ国が会合を開いた後、ロドリゲス農務相は「全員この立場を堅守している。農業分野の議論なしで交渉は成立しない」とコメントした。同相によると、ケアンズ・グループ加盟国はWTO交渉進展の可能性を三割強と見積もる。
スパチャイWTO事務局長は二十八日、二十六カ国が参加するWTO非公式閣僚会議で、ドーハ会議で行き詰まった交渉に活路を見い出し、新たな進展を実現しないなら、「メキシコ・カンクーン閣僚会議(九月十日―十四日)に先立って八月にジュネーヴで二週間行う協議でもほとんど成果は得られないだろう」と警鐘を鳴らした。
アモリン外相とともにブラジル代表団を率いる同農務相は二十八日、ゼーリック米通商代表から、フィシュラーEU農業担当委員が米国代表側につくとアドバイスされたことに懸念の意を表明した。「同代表は最近発表されたばかりの総括的農業政策の改革が、農産物輸出に対する補助金だけを考慮に入れたものだと理解したいと述べた」と同農務相は話した。「農産物生産への支援の廃止は無期限に延長されている」と述べ、ブラジル側交渉代表者、ウゲネイ大使は農産物生産に対する補助金廃止を含まない合意は受け入れられないと繰り返した。