7月24日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】司法官のスト宣言に検事や検察官も合流を表明したことで、最高裁長官はじめ高等裁裁判長、バストス法相などが国家機能の停止を憂慮して二十二日、司法官協会(AMB)幹部に冷静な配慮を求めた。コレイア長官は、ストは司法府の意向に逆らい、抜け駆けであると声明を発表した。高等裁は、短絡的にストに走る前に議会に打診するよう勧めた。司法機関の機能停止は、違法であり浅慮と糾弾した。
AMBが年金改革に反対して、八月五日スト突入を決議したことで検察局の検事や司法検察官、軍事裁、労働裁も、合流声明を発表した。合流声明は、司法府や検察庁、ブラジル弁護士会(OAB)などの首脳部に衝撃を与えた。
司法機関のまひ状態を回避するために、首脳部は一斉にAMBへ冷静な配慮を求めた。年金改革は二十四日、下院法制委員会の審議を受けることで、ストを決行する前に議員との折衝の余地があるとしている。
最高裁のコレイア長官は、ストは司法府の了解もなく
AMBが勝手に先走ったもので、これを司法府の権威にかけても正当化しないと表明した。最高裁は平常通り公務続行することで、連邦令の定める義務を遂行し、AMBの行為は最高裁の関与するところではないと議会の理解を求めた。
司法官は政府公務員ではなく国家機能を保つ任務を負っているので、ストの権利は認められていない。クラウジオ・レモス検事総長も、スト合流を表明した地方検事らに行政府と立法府との交渉を勧め、ストによる威嚇行為を非難した。
ロベルト・ブザトOAB会長は、ストは国家の命運を掛けたものではなく、一グループの利害を目的としたものと糾弾した。ストで迷惑するのは一般国民であり司法権の冒とくと、位置付けした。合流や便乗は、浅はかな行為と非難した。
バストス法相は、ストを重大過失とみなした。すでに最高裁が違法行為と警告したが、あえてストを合法化し決行に踏み切るとは思えないと述べた。政府は、年金改革で原案を大幅修正し譲歩した。まだストを叫ぶならば、過激な司法官の存在を認識すると述べた。
もし司法官がストに突入した場合、一般市民にどのような影響を及ぼすのか。
州の地方裁判所には一万三千人の判事がいて、民事法廷と刑事法廷に分かれている。判事は人身保護令の適用などの緊急事項のみを審理し、他は傍観する。
一般手続きや申請書、嘆願書は機能停止で受理されない。裁判の法廷は繰り延べとなり、四十最低賃金以下の審理は特別ケースを除いて先延べになる。労働裁の三千三百人の判事は、雇用者と使用人の係争のみを審理する。軍事裁は犯罪に関与した軍警の審理を行うが、機能停止になる。
税務監督官や金融犯罪、上級管理職の犯罪を裁く連邦高等裁はストを行わない。労働高等裁や軍事高等裁もストには参加しない。