7月24日(木)
【アゴーラ紙二十日】だれもアルミの空き缶に振り向きもしなかったころから、アリオバウド・D・トーレス氏は将来性を見込んで空き缶の廃品回収業を続け、事業化に成功した。
同氏は十八歳のときから町中で荷車を引いてアルミ缶を拾い集めた。いまは二カ所に廃品回収倉庫を持ち従業員二十人を雇用、七百人の廃品回収人を取り仕切って月間百八十トンのアルミ缶を取引している。
アントニオ・アルミニオ・デ・モラエスのニック・ネームもある。廃品回収人は専ら段ボールに走り、当時こんな軽いアルミ缶は金にならないと考えられていた。同氏はカーザ・ベルデの自宅前の車庫で、アルミ缶の買い付けを始めた。自宅は本社となり、周辺の土地五千平方メートルを購入し、トーレス王国を築いた。
同氏はアルミ・リサイクルのトムラ・ラタザ社に掛け合い受注契約を結んだ。銀行から融資を受け、フレゲジアとサントスに大型倉庫を建築して、コンビ六台とトラック四台で本格的アルミ缶回収を始めた。
カーザ・ベルデ本社は妻が管理。サントスは息子を、フレゲジアは義弟を支配人に置いた。トーレス氏は三カ所を飛び回り、さらにプラスチックの空き瓶で新規事業に取り組んでいる。
ブラジルのアルミ回収率は、八七%で世界一。続いて日本の八三%。ブラジルではアルミ缶回収で年間八億五千万レアルが取引されている。ちなみにトーレス氏がアルミ回収人に支払うのは、空き缶一キロ当たり三レアルだ。