コラム　オーリャ！

　「コロニア語は面白い」。来伯した研究者たちは口をそろえる。世代と共に、日語からポ語へ母語が移行する途中で生まれるのがコロニア語。日語にポ語単語を混ぜる状態から、ポ語に日語単語を混ぜる状態に進み、最後はポ語へ。その混ざり具合の奥にある、意識変化のあり方に価値があるそう。
　日本語は文化を運ぶ不可欠の〃乗り物〃という声もあれば、ポ語でも日系意識は伝えられるとも。ポ語使用が自然の流れなら、いかに言葉に依存しないで日系意識を後世に伝える方法を編み出すかも、一つの方法。
　有名な日系アメリカ人作家カレン・ヤマシタさんは、不思議なバランスをもって日系意識を維持し、それを著作に昇華させている。山崎千津薫映画監督もしかり。二人とも日語は、それほど得意ではない。
　〃乗り物〃をいかに維持するかだけではなく、誰を乗せるのか、も重要な問題なのだろう。（深）

03/07/23