7月22日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙】人生は四十歳から始まる?そんな質問には各人なりの答えがある。確かなのは学習生活がそこで終わらないことだ。教育省の最新データによると、四十歳を超える人々約六万七千人が〇一年に大学入学を果たした。この数は全入学生の六%を占める。二〇〇〇年と比べ、大学教育を受ける人が最も増加した年齢層は五十五歳から六十四歳までの層で、増加率は三〇%に上る。二十四歳以下の大学入学者数の増加率が一五%、全年齢の同率が一六%であるから、二倍近くの増加率だ。
「自分の知識を呼び覚ますために大学を探した。人生は続くし、立ち止まっていられないからね」とサン・ジューダス・タデウ大学法学部四年生で七十三歳のエドガーさんは話す。「私のキャリアには、この分野の深い知識が足りなかった」。エドガーさんは経済学を修め、経営コンサルタントとして働いた後、現在不動産ビジネスを営んでいる。また同大学が経営する法律相談事務所で研修も行っている。研修、仕事、授業をこなすエドガーさんは朝七時に家を出て、午前零時に帰宅する。
四十年の歳月を経た後、マルレイネさん(五四)はとうとう大学に通う機会を見つけた。「十二歳から働き始めたんです。そのころはバス代ですら払うお金がなかった。そして結婚、子育て。今、やっと生活が安定したので大学に入りました」。銀行の課長であるマルレイネさんは現在メトジスタ大学経営学部の四年生。三十年以上規則正しく勉強してこなかったので初めはストレスがたまったが、少しずつ慣れることができたという。予備校に通うハルさん(五六)はサンパウロ総合大学(USP)法学部への入学を目指す。不動産関係の仕事をするハルさんは仕事上、法学部で学ぶ知識は重要だと話す。
大学に通う四十歳以上の学生は勤勉だ。彼らは一般的に、仕事能力を高めるといったはっきりした大学入学目的を持つ。教授たちをもっと頼りにし、日々勉学と自己研さんを怠らない。教育現場を見ても、こうした学生らは授業への適応について問題がなく、人生経験があって、若い同級生らが直面する人生の困難に対してアドバイスでき、若者の「参考」になる点ではむしろ良いとも言える。ただ、長期間教室から遠ざかっていたために高齢の学生ほど、一年目は本を読んで得た知識と授業で得た知識を授業や生徒同士の討論時に結び付けるといった様々な困難にぶつかりがちだという。哲学科のある教授は高齢の学生には哲学などの科目がやさしいと話す。思想家の理論を深く分析し、討論の際に日常例を示すことができるからだ。
四十歳以上の人を対象に様々な大学が、大学課程ではない教育プログラムを開設している。一般的にそうしたコースは「中高年に開かれた大学」などと名付けられており、卒業資格は出ないが、健康、スポーツ活動、老化についての情報を提供する。リオ州立総合大学・中高年に開かれた大学(UnATI/Uerj)には六十歳以上の人だけが参加できる。開設講座は健康・保健、文化・芸術、一般教養、外国語、老人学や各種実学など。問い合わせ先は〇・XX・二一・二五八七・七二三六。USPが提供するプログラムについては〇・XX・一一・三〇九一・三三四八まで。