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犯罪組織同士が銃撃戦=48時間に11人死亡=巻き添えで7人が犠牲=新旧勢力が縄張り争い リオ・スラム街

7月19日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十八日】リオ市北部のスラム街ヴィガリオ・ジェラルで十六日午後七時、麻薬密売組織の縄張り争いで四十八時間にわたり、市街戦さながらの撃ち合いがあり、十一人の死者を出した。八人は銃撃戦で被弾して死亡。三人は軍警が射殺した。銃撃戦はライバルであったスラム街のヴィガリオ・ジェラルとパラーダ・デ・ルカス間で起きた。

 スラム街ヴィガリオ・ジェラルは麻薬組織のコマンド・ベルメーリョ(CV)とテルセイロ・コマンド(TC)の縄張り争いの対象となっていた。TC支配下にあるパラーダ・ルッカスの一群が十六日午後七時突然、ヴィガリオ・ジェラルを襲い男六人と女一人を捕らえ殺害した。
 犠牲となった七人は麻薬密売と無関係で、騒ぎに巻き込まれたのだと、遺族らは訴えている。七人の遺体はドゥッケ・デ・カシアス市の国道BR040号線沿いのサプカイー川、殺害現場から十キロ離れた地点に投棄されたのを、連邦道路警察が十七日朝、確認した。
 CVに属する約百人のグループが十七日早朝、ヴィガリオ・ジェラルのボス・コスメの応援依頼によりヴィラ・クルゼイロス、マンゲイラ、ボレル、パルケ・ウニオン、ジャルジン・アメリカから召集された。
 一味は盗難車多数に分乗し、パラーダ・ルッカスの縄張り奪回と七人の殺害報復のために駆けつけた。銃撃戦で双方八人が死亡。しかし、住民の通報で軍警多数も、同時に到着して猛烈な銃撃戦となった。ここで一味の三人が死亡、四人が拘束された。
 ヴィガリオ・ジェラルとパラーダ・ルッカスは隣接しており、警察署のある通りによって遮断されている。一方に住む住民は他方へ行くことが、組織によって禁じられている。
 軍警は、ヴィガリオ・ジェラルへの襲撃を指揮したのがジョゼ・R・シウヴァとみている。CV支配のスラム街から応援部隊がさらに到着して戦闘は十七日も、早朝から継続された。
 両スラム街を根城とする犯罪組織の闘争は、歴史が古い。九〇年代にTCがファランジェ・ベルメーリョの元幹部らによって結成されるまで、パラーダ・ルッカスは中立地帯であった。TCは現在、財政的にも富み
暗黒街の雄となった。
 七〇年代イーリャ・グランデ刑務所内で結成された先発のCVがヴィガリオ・ジェラルを、再々支配下に併合しようと試みたことから両スラム街の争いが始まった。CVは九〇年代に主な幹部が死亡や拘束されて現在は、勢力が衰えTCに押され気味となっている。