ブラジル大豆で燃料生産=駐米大使が熱弁=FTAAにらみ投資奨励
7月12日(土)
【イスト・エー誌】ルーベンス・バルボーザ駐米伯大使は、米州自由貿易地域(FTAA)発足に向けて工業製品の米向け輸出のために積極的に投資をすべきだと主張した。米国はブラジルにとって有望市場であり、ブラジルの企業家は消極的でシャイだと決めつけた。同大使の在米ブラジル人に対する講演内容は、次のようなものであった。
FTAAに対し及び腰にならず、むしろ前倒し発足で官民が取り組むべきだとしったした。ブラジルの輸出は現在、六七%が対米輸出でゼロ関税か低率関税の工業製品であると指摘。工業部門が努力すれば、現在の輸出高を二、三倍にも引き上げられる可能性がある。ただし輸出品目のバラエテイを広げる。売り込みのため積極的に米国内を行脚する。ブラジルの企業家は積極性がないと鼓舞した。
特にブラジルの企業家が銘記すべきは、一九八五年当時ブラジルの対米輸出は七十億ドル、中国も対米輸出が七十億ドルであったこと。それが二〇〇二年になるとブラジルの対米輸出百四十億ドルに対し、中国の対米輸出はなんと千四百二十億ドルに上った。この数字は、何を物語るか。ブラジルは待ちの姿勢、中国は攻めの姿勢なのだ。
米国とEUを市場として比較するなら、米国市場参入が容易だ。対米輸出の六七%は航空機、携帯電話、自動車、化学薬品など二次加工品だ。対EU輸出は六五%が一次産品で、輸出価格に利益を計上し難い製品だ。対米輸出に努力する方が、有利と思われる。
期待の農産物は、補助金制度が廃止されるFTAA発足後にしか輸出できない。伯米首脳会談ではFTAA発足期は主要議題ではなく、目的は双方の意見調整と協力関係の確認であった。通商問題の温度差は、それを調整する専門チャンネルがあり、首脳クラスで論議する課題ではないと、ブッシュ大統領が助言した。
ブラジルがFTAAのネックとしていた農産物補助金は、米政府が日本やEUも含めて世界貿易機関(WTO)で廃止の方向で解決する。今回の首脳会談は伯側は譲歩することなく、成果は上々であった。期日までにWTOで米国が日本とEUの合意が得られない場合は、合意は無効になる。
農産物補助金は、WTOドーハ閣僚会議で決議され、その後進展することなく保留された。しかしWTO解決がなければ、FTAAもお流れになる。WTOへ最初に持ち込んだのは、米国。それでブラジルも対抗措置としてWTO提訴を行った。従ってWTO解決は、米国自身がFTAAを考慮に入れて尽力するはず。
伯米首脳会談は両国の閣僚も列席し、議題も広範囲にわたる合同会議であった。昨年十二月の伯米会談からみると、非常に雰囲気の明るい会議であった。ブラジル側が案じたことは、議論に及ばぬ事と片付けられた。ブラジルとしては初めての待遇で、米国の同盟国しての認識を新たにした。
会談で特記すべきはエネルギー問題で、バイオ・ディーゼル油で大型投資が期待できる。米国は大豆からバイオ・ディーゼル油摘出を研究している。そのためにブラジル産の大豆が、起用される可能性がある。大豆バイオ・ディーゼル油の本格生産が始まると、大豆の国際価格も上昇し大豆生産者を喜ばせる。ブラジルの大豆関連企業への米資本による合弁打診も、多数ある。