エコノミーア

7月3日(木)

 低迷する輸出を救った農産物の裏方として活躍した国立農事試験場が、省庁予算削減で電気や電話をカットされた。品種改良を行っていた遺伝子研究室のこれまでの成果が、台なしになった。一九七三年創立以来、こんなことは初めて。農業大国、影の立役者を誇りとしていた時代が懐かしいとボヤいている。植え付け期に予算カットされ、時期外れに解除されても喪失した研究成果は戻って来ない。
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 商店がテレビなど家電のローンを下げている。ショッピング・パウリスタは月利六・四%。サンパウロ州南部のデノーボ・ネットは、三・五%。ゴイアス州、トカンチンス州のロザンゴは月利五・四%。リオ州のテレ・リオは月利四・五%。バラツキが大きいので消費者に注意を呼びかけている。
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 小口金融に約四十億レアルを注入する報で庶民クラスを顧客とする商店や製造業が、手ぐすね引いている。民間銀行も小口与信部門を軒並み開設した。これまで友人や親類から寸借していた低所得層に、小さな消費革命が起こりそうな気配だ。
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 伯外務省外郭団体の機関紙「外交政策」によれば、グロバリゼーションの流れのなかに年金改革もイラク戦争もあるという。年金はブラジルばかりでなく、日本や独仏でも問題になっている。年金基金が累積赤字を生み出した背景に、株式市場の低迷がある。日本のバブル崩壊仕掛け人ソロモン・ブラザースの先物取引にみるように、株式市場には仕掛け人がいる。グロバリゼーションの中で、中近東ににらみを利かせる本格的基地を建設するため、イラクが選ばれたと同誌はみている。