ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 読解力弱いブラジル人生徒=41カ国中の37位=教育レベル向上が必要

読解力弱いブラジル人生徒=41カ国中の37位=教育レベル向上が必要

7月2日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】ブラジルは経済的に優れており、マケドニアやアルバニアは足にも及ばないが、教育面ではこの二国と同レベルである―。世界四十一カ国の十五歳の生徒を対象にした経済協力開発機構(OECD)とユネスコの「明日の世界の読解力調査」が一日、イギリスで発表された。ブラジルは不名誉な下位五位である三十七位に甘んじたことが明らかになった。
 この調査は、各国四千五百人から一万人の生徒を対象にした「二〇〇〇年度国際学習比較調査」のデータに基づいている。
 今回の読解力調査で最下位の四十一位になったのはペルー。四十位はインドネシア、三十九位はアルバニア、三十八位はマケドニアで、三十七位にブラジルが出てくる。アルゼンチンは三十三位、チリは三十六位だった。
 十五歳のブラジル人、マケドニア人、アルバニア人の五〇%が、ユネスコの基準で「字や言葉、文章は読めるが、読んだ内容がさっぱり分からない」状態を示す一レベルに入るという。
 逆に読解力が最も優れているのはフィンランドの生徒たち。二位は韓国、三位は香港(中国)、四位カナダ。日本は五位を占めている。フランスは十五位、米国は十六位だった。
 これら好成績を収めた国々は、教育への多大な投資だけにとどまることなく、貧富の差を縮めることに努力を惜しまない。ユネスコのアルバート・モティヴァンス氏は、「教育への投資は重要だが、国民が平等にその恩恵を受けているかどうかも非常に大切である」と言明している。
 サンパウロ大学(USP)のマリア・L・マルシーリオ教授は、読解力調査の結果について「南米の貧しい国々より悪い結果なんて」と驚いていた。「過去数年間で生徒の入学が増加したが、教育レベルの向上に結びついていない」と指摘している。
 カルドーゾ前政権に、子供の入学率は九六%に達した。「入学と高度の教育レベルを同時に保障することが我々の大きな課題である」と、教育省基礎教育局のマリア・J・フェーレス局長官は語る。現政府は、教員養成への投資や基礎教育を八年から九年にする計画などを立てている。