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高齢者の7割が自活=サンパウロ市=最大の不満は”放置”

7月1日(火)

 【アゴーラ紙】高齢者に対する最大の暴力は音もなく、静かになされる。親類、友人、同伴者から放置されることだ。
 サンパウロ総合大学公共保健学部が汎米保健機構(Opas)と共同で実施した調査によると、サンパウロ市の高齢者の七〇%が何の援助もなく生活しているという。九七年に創立し、六十歳以上の高齢者を支援する老人保護特別グループ(Gaepi)のデータにも、創立以降昨年末までに受け付けた高齢者の不満八百五十九件のうち、三七%が「放置」で、次に「不親切な扱い」が続く。
 「放置の解決には難しい面がある。ほとんどの場合、高齢者は他に行くところがないからだ。もっと孤独になることを恐れて結局放置を訴えないで終わってしまう」とGaepiの責任者は話す。
 臆病になった高齢者は近所の人の中に自分の仲間を見つけるようになる。「早く死ぬよう、自分の父親に食事を与えない女性がグアルジャにいるとの通告があった。現在その件を調査中だ」と州立老人相談所のカルシュ副所長は述べた。
 放置は刑法第百三十三条で三年以下の禁固が規定されているが、多くのケースで現行法はこうした問題の解決に役立たない。例えば息子や孫の不適切な扱いは刑事罰の対象とならない。六十歳以上の人々に対する犯罪の告発はどこの警察署でも受け付けるが、サンパウロ市中央区、レプブリカ駅近くに老人保護警察がある。今年だけで二百件の誹謗(ひぼう)、辱め、いじめ、脅迫が同署で受け付けられた。
 孤独は他の苦しみを誘い込む。詐欺がその一つで、孤独な高齢者は見知らぬ人の悪意の犠牲になりやすい。今、Gaepiは一人の男性の事件を捜査している。その男性は退院後、「ボランティア」を名乗る女性の家に引き取られることになった。二十日間で女性は男性の口座から二万レアルを引き出した。「女性が引き出したとはわかるが、それを証明しようがない」。▼支援団体連絡先=老人保護警察3256・3540、老人保護特別グループ(Gaepi)3119・9082、州立老人相談所3362・0221