6月27日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】土地占拠運動(MST)のリーダーでエコノミストのジョアン・ペドロ・ステージレ氏は二十五日、農地改革問題への取り組みがはかどっていないと政府を批判し、MSTにとって現在の情況が有利であることから、この先数カ月間農地への侵入が増え続けると述べた。
同氏は八百万人の雇用創出キャンペーンを実現するための唯一の手段として農地改革を掲げたルーラ大統領の改革史上に残る約束をあてにしている。と同時に農地への入植が足りず、農地改革を脅かす保守主義者らへの批判を繰り返しているだけだと、政府代表者と大統領をも批判した。
エスタード紙のインタビューに応えた同氏は、今年前半にMSTによる農地占拠が増加し、今後もますます増加する理由として三つを挙げた。一、MSTを抑えつけた前政権の交代。二、アグリビジネスが喧伝(けんでん)されているが、穀物生産の増加と貿易収支改善をうたう現在の農業モデルは、フェイジョン、牛乳といった基本農産物の増産につながらず、大地主に土地が集中し、大規模機械化農業の進展によって失業が増加していること。三、農地改革進展を約束したルーラ大統領への期待。
共同作業への抵抗や低い生産技術により、入植後に土地を放棄する家族の存在の指摘に対して同氏は、生産技術の低さを認めつつも、土地の放棄は否定した。経済情勢の厳しさに直面している政府に過剰な要求を行っているのではとの質問には、雇用創出には農地改革と家族農業の進展が最もたやすく、低コストの手段となるだろうと答えた。