6月27日(金)
戦後移住五十周年記念祭実行委員会(中沢宏一委員長)は、二十六日午前九時からサンパウロ大学で植樹式を行った。今回は、百本植樹し、最終的に千本が大学構内に植樹される。植樹事業は、五十周年記念事業のうち、式典とともに主要事業の一つ。サンパウロ大学、サンパウロ市アグア・デ・ピネリーニョ公園、オザスコ市公園に植樹が決定している。
山桜は雪割り桜とも言う。花は小型白色で清楚だが、風に強く、しっかりとした根を張る。ブラジルで最もよく見かける桜の一つだ。始めての植樹事業が、同大学日本文化センター前で行われた。
式には、日伯文化協会から松尾治第三副会長、JICAから石橋隆介次長、総領事館から浜田圭司領事、日伯援護協会から尾西貞夫副会長ら、三十人前後が出席。始めに住吉神社上妻博彦住吉神社神主が、植樹の儀を行った。同儀の途中、来賓が最初の山桜を植樹した。
中沢委員長はあいさつで「ここの土は柔らかく、桜が植えやすい状態になっている。これに限らず、私の目に見えないところで多くの方の協力があったことを実感している。ゆくゆくは、この場にブラジル人が多く訪れ、日系社会とブラジル社会の交流の場となって欲しい」と、展望を語った。
同式で、植樹委員会石川準二委員長は、大学構内にある日本庭園の修繕を約束。日本庭園はコチア産業組合の協力で六十年代後半に造園。現在、下草の刈り取りは定期的に行われているものの、剪定不足などで管理が行き届いておらず、荒廃が進んでいる。「このまま荒廃が進めば、日本庭園がだめになってしまう。日本庭園も日本文化のひとつ、百周年に向けて文化を絶やす事の無いよう、管理をお手伝いしたい」と、石川委員長は意気込みを語った。
大学内の日本文化センター前の広場は、風が強い。山桜は五年後に控えた移民百年祭を乗り越え、日伯の間に花を咲かせるのだろうか。