6月26日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十五日】サンパウロ州刑務所の防壁を監視する警備員の一七・九%は前科がある人であると、エスタード紙が報道している。サンパウロ州保安局の公務員採用試験に受かった防壁警備員三千三百三十三人のうち、五百九十八人は麻薬取引、強盗、詐欺、殺人などの前科がある。採用の条件は、「職務に適応し、公的生活・私生活での行為が潔白であること」。サンパウロ州検察局は四月から、この事実について捜査を進めている。
以前、刑務所の防壁監視は軍警の役目だった。州内の日常パトロールに軍警を回すために新しくつくられた職務が防壁警備員である。試験に受かった警備員らは、サンパウロ市、大サンパウロ市圏、ヴァーレ・ド・パライーバ地方、沿岸地方、州中心部、北東部、西部など、州内各地の刑務所で勤務につく。
検察局によると、前科がある職員には、凶悪犯罪で服役した人も多い。麻薬取引、殺人、拷問、強姦、強制猥褻、詐欺、強盗、窃盗、暴行、未成年者淫行勧誘、臓物収受、業務上横領、横領、偽証、侮辱、逮捕抵抗、銃器不法所持、密輸、恐喝、組織犯罪、容疑者・受刑者の逃走簡易化、脅迫、損害、公共での猥褻行為、犯罪勧誘、虚偽の告発、公共道路での銃器発砲など、犯罪の種類はさまざま。また、無免許運転や危険運転などの軽犯罪歴がある人もいる。
さらに検察局は、試験に合格した人の多くが元軍警や元市警である可能性があると指摘。警官だった場合、辞職したのか、警察から追放されたのかが重点となる。
古川長同局長官は、「採用された防壁警備員らは、この職務を施行するのにふさわしい人物だ。これらの警備員を採用し始めてから、過去三カ月間に拘束者の脱走事件が減った」と言明している。
この捜査を担当しているセルジオ・T・ソブラーネ検事によると、不起訴処分になった、服役を終えた、無罪判決が出たなどの場合でも、法律では初犯者とみなされる。「一人一人のケースを注意深く検討し、実状を見極めたい」と話している。
同局のオリント・ブエーノ補佐官は、保安局の公務員試験はあくまでも「無罪推定」を基に行うべきだと主張する一方、元軍警だった職員が警察から出た理由を調べるため、リストを軍警監察局に提出する意向があることを認めた。「前科があっても刑に服した後は回復したとみるべきである。だが彼らが二年間の実験期間にあり、普通の人より普段の行いに気を使わなくてはならないことは確かだ」と説明している。