6月24日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十二日】サンパウロ州医療審議会(Cremesp)が二年間にわたって実施した州内の公立・私立病院調査によると、ほとんどの病院で基本的な医療機器などが不足しており、衛生管理もろくにできていない状態にあるという。
Cremespは、サンパウロ州の病院総数の九四%に当たる千十一病院で立入検査を行った。精神病院などの専門病院は、検査から外された。Cremesp病院監督部のカルロス・R・カルネヴァーリ部長は、「緊急に資金援助が必要な病院がほとんど。サンパウロ州はいち早く手を打たなければならない」と訴えている。
調査対象になった病院の三分の一では、手術などで使用される器具が殺菌されてあるかどうか確認しないという。
一度使った注射器の針が捨てられていない、切開器具が殺菌済みの専用箱の中に保管されていない、などの生物学的に厳守されなければならない規則が、救急病院の半数以上で守られていなかった。
集中治療室(ICU)の五六・五%で、心電図モニターや人工呼吸器、吸引器などの基本的な医療設備が不足していた。
救急車の七〇%は、電気けいれん療法(電気ショック)の機器や、アドレナリンなどの患者を再生させる医療薬品、呼吸困難の患者に空気を送るための扇風機などが設置されていなかった。
「電気けいれん療法を行う病院が多いが、実際に患者が再生したかどうかを確かめるためのモニターがないところもあった。また、いつでも同機器を使える状態にしていない病院も多かった」と、Cremesp病院監督部のイザウラ・C・S・ミランダ部員は語る。
手術室で検査に合格したのは全体の三四・九%のみ。残りは、手術専用の照明器具や医療用ガーゼ、吸引機などがなかったり、人工呼吸器のチューブや電気配線が手術室の床をはっていたりと、完全に規定外の病院が多かった。
Cremespは、これらの病院を罰する権限はなく、また病院名も公表しない。Cremespの調査は、サンパウロ州衛生監督局に提出され、同局が調査書を検討し、病院に罰金措置を下す。