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法務相の決断迫る=ヒズボラ支援者が亡命申請

6月24日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】バストス法務相は、アサード・アフマド・バラカト氏の亡命申請に対して非常に複雑な政治的決断を迫られている。
 パラグアイの反テロ情報局はバラカト氏をレバノンに拠点を持ち、テロリストを支援していると疑われる団体『ヒズボラ』のブラジル、アルゼンチン、パラグアイの三国国境地帯におけるリーダーと見なし、身柄引き渡しをブラジル側に求めている。
 バラカト氏はパラグアイに帰化したレバノン人で、ブラジル人の妻と三人の子どもがおり、フォス・ド・イグアス市に在住。パラグアイのシウダ・デル・エステ市でヒズボラの活動の一環である軍人遺族の支援と、ベイルート在住の弟がモスクを建設するための資金を集めていたが、同時多発テロ以降、ブラジルに移動していた。一年前に連邦警察がパラグアイの反テロ情報局に誘拐されることを避ける目的で同氏の身柄を拘束した。
 六月第三週にブラジルを訪問したハリリ・レバノン首相はバラカト氏に有利な決断を請願し、ヒズボラは国会に八議席を持つ政党かつ宗教・慈善団体で、テロ組織ではないとルーラ大統領に説明した。
 バストス法務相は米国の圧力を受けていないと保証した。米国政府はヒズボラに送金したバラカト氏を三国国境地帯でアラブ・コミュニティーのテロ活動に関わった人物と見なしている。問題はバラカト氏と同国境地帯の移住者らの活動を正しく評価することだ。