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6月18日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十七日】サンパウロ州保健局は十六日、サンパウロ州における満一歳以下の乳児死亡率が過去十二年の間に半減したと発表した。
二〇〇二年は千人の出産児に対し、死亡したのは十五人にとどまった。乳児死亡率の減少は、衛生インフラの向上や住宅設備、病院の応対態勢、産婦の分娩知識などが向上改善されていることを意味している。
州内には、平均を上回る市も少なくない。特にイタペーバ市は二四・九四人、サントス市は二一・六一人、トゥパン市は二〇・三六人などだ。乳児死亡率の高い四十市は、低所得層が多く乳児の育児に適当な衛生環境の未整備が原因と保健局はみている。
また産婦への育児指導や産前指導が、不十分であったことも指摘される。特に死亡率の高い市への産婦指導が、今後の課題と当局はみている。
サンパウロ大学(USP)公衆衛生学科のマルシア・アウメイダ教授は、低所得層には所得水準や住宅環境、教育水準の問題があり、どれが直接の原因なのかを追究するのは困難という。
州内には先進国並みの市もある。サン・カルロス市の七・九九人、ヴォツポランガ市の一〇・五二人、フェルナンドポリス市の一〇・六三人ほか三十四市がある。
乳児の死因の五八・三%は出産時の不手際が原因で、へその緒から炎症を起こしている。続いて未熟児、呼吸困難の順。また一七%は胎内での異常発育。七・三%が呼吸器不全。五・三%が腫傷と寄生虫が死因だ。最後の二死因は住宅環境に問題があるという。