6月18日(水)
【ヴェージャ誌】国際通貨基金(IMF)の資料によると、ブラジルの銀行は優良企業の場合でも平均年利(九八―〇一年)約六一%の利息を取る。米国は五・四八%、ユーロ圏は四・六二%、日本はわずか二・三九%だ。アルゼンチン(一五・五七%)、チリ(九・三一%)、メキシコ(八・四九%)ですら、ブラジルの金利にはるか及ばない。最近市場に参入したブラジルの小企業は年利約八〇%を取られる。
しかし、ブラジルの銀行が民間部門に向ける融資の最も少ない国の一つと統計に示されるのはたまたまではない。十レアル中二・三レアルしか生産部門に融資が回されない。では残りはどこに向かうのか?
答えは政府。基本金利が二六・五%と高利で、政府は返済お墨付きの債務者であるため、銀行は低コストで融資できるからだ。リスクが高い民間部門、特に個人に対して銀行は年率一八〇%もの「暴利」を課す。三六%の利ざやも融資リスクを加味しての上だと銀行はいう。
こうした問題の根底には債務者を保護する法律がある。返済不履行に陥った企業の在庫、設備、不動産の差し押さえは法律で禁じられている。法的保証がないため、銀行は国債の買い付けに向かい、法人、個人への融資に目ざとくなる。債務者は資産保護のつけを暴騰した金利で払うわけだ。自動車ローンの金利が四月で五〇・三一%と、比較的低いのは自動車を差し押さえられる理由による。
高金利問題の解決法の一つは銀行の融資リスクを減らすことで、倒産法の改正を政府はすでに検討し始めている。