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6月18日(水)
今年二月以降、大阪府内にある複数の郵便局から現金を強奪したとして、大阪府警捜査一課などがすでに強盗致傷などの疑いで逮捕している三人の日系ブラジル人に加え、新たに四人の日系人を新たに強盗の疑いで指名手配したことが十七日、ニッケイ新聞の調べで分かった。
シブヤ・ディビット(二九)、クニタケ・ジュニオール・セパチアーノ・コウダ(二六)、ガウナ・エジソン(三〇)、ヨシザワ・イサオ・ヘベルト(二〇)の四容疑者で、いずれもすでにブラジルに帰国しているという。大阪府警では今後、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて、四容疑者を国際指名手配する方針だ。
事件は今年二月から四月にかけて三件発生。いずれも七容疑者らが関連しているもので、被害は特定郵便局に共通している。いずれも目だし帽を被った複数犯が、スタンガンや特殊警棒を用いて、局員から現金を脅し取る手口で、二月には泉大津市で四百四十五万円、三月には八尾市内で千百二十万円、四月には和泉市内で千五百万円をそれぞれ強奪したとされている。
すでに五月十四日には、日系三世のウメハラ・エドソン・ユウゾウ(二九)とワコ・サンドロ・ルイス(二三)の両容疑者を和泉市内の郵便局を襲った疑いで逮捕。さらに、この強盗に使われたと見られる乗用車を盗んだとして、アキヨシ・ゴメス・パウロ容疑者(二三)を窃盗の疑いで逮捕した。ウメハラとワコの両容疑者は容疑を否認していたという。また、アキヨシ容疑者も「知らない」などと否認している。
犯行時に「フセロ、フセロ」「カネダセ、カネダセ」などと片言の日本語を話していたことや、現場近くに乗り捨てられていた盗難車から容疑者の指紋が付いた地図が残されていたことから、捜査当局は捜査本部を設置。土地勘のある外国人による犯行と見て内偵捜査を進めていた。
また、ワコ容疑者は十四日の逮捕時に「犯行をした奴はブラジルに帰った」などと供述していたことから、共犯者の割り出し作業を進め、ウメハラ容疑者が柏原市内に所有していたマンションに出入りしていた日系ブラジル人の犯行グループから、今回指名手配された四人を割り出した。
八尾市内の強盗に関わったとして指名手配されたシブヤ容疑者は三月にブラジルに帰国。また共に和泉市内の強盗に関わったとして指名手配されたクニタケとガウナ、ヨシザワの三容疑者は四月に名古屋空港からブラジルに帰国している。
ワコ容疑者もシブヤ容疑者と一緒に出国しようと試みたが、覚せい剤を使用した前科で執行猶予中だったため、名古屋空港で出国が認められず、その後大阪府内に滞在している所を逮捕された。
ブラジルに帰国直前に運転免許証を更新している容疑者もいることから捜査本部は、再び来日する可能性がある、とみているが、ICPOを通じて国際指名手配の作業に入っている。