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金利低下に圧力=サンパウロ州工連 解雇増で警告

6月17日(火)

 【既報関連=フォーリャ・デ・サンパウロ紙十四日】ピーヴァサンパウロ州工連(Fiesp)会長は十三日、もし中銀が金利を下げないなら、企業は解雇を増やさねばならないと警告した。
 サンパウロ州工連の調査によると、五月だけでサンパウロ州の工業部門において二千七百四十三人分の雇用が減り、十二カ月で雇用削減数は五万一千百十七人に上るという。雇用削減発言の反響を考慮して、同会長は後に工連は通貨審議会(Copom)の決定と「雇用調整(解雇)」とを直接結び付けることはないとしたが、金利は「適正なレベルを超えて」現在も継続されており、「雇用も制限され」うる負担を経済に強いているとした。
 金利の低下に加え、同会長は強制供託金の減額も訴えた。現行法の下で市中銀行は預金量の六〇%を中銀に預けなければならない。その結果、流動資産が吸い上げられ、金融市場に回る融資が減少する。そうした融資が増加すると、消費が増え、インフレ圧力となる。また、政府はマクロ経済政策を金融システムにではなく、成長に向けて実施するべきだと同会長は述べた。しかし、工業界は銀行の敵ではないとも発言した。
 パロッシ財務相は十三日、サンパウロ州の金属部門の企業家らが基本金利を下げなければ従業員を解雇すると発言したことを脅しとはみなさず、金利低下はブラジル経済が現在の調整期間を抜け出して成長軌道に乗るための唯一の方法ではなく、農業分野への融資増加など他の方法を政府は採用してきたと述べた。また、農業分野や輸出部門が「絶好の状況」だとし、国内市場関連部門は良くないが、経済は不況に入っていないことを再確認した。