6月17日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十三日】十二日に発表された〇一年のデータに基づくブラジル地理統計院(IBGE)の社会指標白書によると、何らかの仕事に携わるブラジル人の五四%、四千九十万人が年金掛け金を払っていないことが判明した。五四%という数値は九二年の五六%と比較すると若干改善された。
年金に加入する労働者の率が低い理由として、ブラジルの労働市場における非正規労働者の割合が高いこと、労働者の賃金が低いことが挙げられる。
年金加入者が少ないと、現在と将来に大きな問題が起こる。現在、年金を受給している人に向けられる資金が減少し、将来的には大多数のブラジル人が安定した社会生活を送るのに十分な年金を受け取られなくなる。
「『老人が路上をさまよう』光景が生み出されつつあるようだ。年金掛け金を支払わない労働者を年金制度に取り込む政策が実施されなければ、こうした光景を目の当たりにすることになる」とカンピーナス総合大学労働経済・組合研究所のサントス調査員は現状を評価する。また年金改革の議論は年金制度外にいる四千九十万人の労働者を全く考慮していないと同調査員は話した。
ブラジルでは高齢化も進みつつある。〇一年に六十歳以上の人口は千五百三十万人で、全人口の九・一%を占めた。IBGEの推計によると、同人口は三〇年には一六%に達する。逆に十四歳までの人口比は〇一年に二八・五%、三〇年には二一・五%に下がると予想されている。